SNSを眺めていると、毎日のように「AIで世界が変わる!」「全人類が失業するヤバい新ツール!」と、ものすごいテンションで騒ぎ立てる人々を目にします。

いわゆる、「AI驚き屋」と呼ばれるインフルエンサーたちです。

これ、ネットの一部では「また大袈裟に騒いでるよ」と冷笑されがちですが、ハラダは決して冷めているわけではありません。むしろ、心の底から「普通にすげえな……」と圧倒されているのです。

あの 圧倒的なパッション 、あの テンションで世界を揺さぶるスタイル

一体どうやったら、あっこまで過剰に驚き、人を巻き込んでいけるのでしょうか?

炎上は「才能」、無風のワタクス

よく「炎上系インフルエンサー」が話題になりますが、あれは完全にセンスの世界。

昔、知り合いが言っていた「炎上は才能だよ」という言葉が、今でも深く胸に刺さっています。本当にその通りだと思うのです。

だって、もしワタクスが世の中の注目を引こうとトチ狂って、深夜のコンビニの冷蔵庫に滑り込み、おでんをつつき回す動画をアップしたとしても、よ。

世間はミリも騒ぎません。「無」です。炎上すらできず、ただただ静かに警察にドナドナされ、翌日のローカルニュースの隅っこに小さく載って終わる自信があります。狙って世間の感情を揺さぶり、大騒ぎさせるというのは、良くも悪くも凡人には真似できない、一線級の「才能」なのです。

だったら、せめて「AI驚き屋」になってみたい。

そう思って彼らの投稿を見るのですが、やっぱりあれも、なれる気がまったくしないのです。

強烈な演技派なのか、それともパッションの泉か

どうやったら、新しくリリースされたLLMのちょっとしたアップデートに対して、

「おいおいおい!世界が裏返っちまったぞ!!」

と、ディスプレイの前で椅子から転げ落ちるほどのリアクションができるのでしょうか。

彼らのタイムラインを見てごらんなさい。

まず、謎の焦燥感カウントダウン

「今日で5月が終わります。2026年の41%が過ぎました。もっと巻きでAI人材を育成しなければ。」

──急にどうしたんですか。年末まであと7ヶ月もありますけど。誰にも攻め込まれていないのに籠城戦

の雰囲気を出すのやめてほしい。

次に、夢のような下剋上エピソード

「偏差値30台の学生がClaudeを使っただけで、東大生と大差ない企画書を上げてきた!」

──東大生もClaudeつこうとるんちゃうんかぇ?

で、もっともらしいビジネス用語での宇宙の真理

「AI時代になって、知識の非対称性が瞬時に均される!」

──かっこいい。何を言っているのかよくわからないけどかっこいい。ワイも言ってみたい。非対称性とか、相変化とか。俺仕事で「エントロピー」って言葉使えただけで感動したもん。

さて、これが「演出(ビジネス演技)」なのだとしたら、正直ものすごく緻密に考えてやられてると思います。

そしてもし、これが演技ではなく「本当に心の底から驚いている」のだとしたら。

そのパッションの泉は、一体どこから湧き出ているのでしょうか? 毎日毎日、新しいAPIの登場に目を輝かせ、心拍数を跳ね上げられるその若々しいエネルギーは、一体どうやって維持されているのか。

いずれにしたって。このワードセンスを私が持てるのか?

……書けるのか? ワイに?

試しに、驚き屋ツイートを書いてみた

なれないなれないと嘆いていても仕方がない。まずは形から入ってみませうよ。

ということで、ワイ氏なりに驚き屋風のツイートを書いてみました。お題は「Claude Code」です。

やばい。マジでやばい。ClaudeCodeでマジで世界変わった...
今まで単価100でやってた人月仕事が文字通り1日で終わった...

……うん。「終わった」じゃないんだよな。ここから「これで世界のソフトウェア開発が根底から覆る!!」まで持っていかなきゃいけないのに、事実を述べたら満足してしまう。

というか、脳内で「実際問題これで出てくる実装の検証だったり直しだったりでこれはこれで色々大変なんよ」とかになって冷静になってしまうのです。

驚き屋の皆さんだったら、たぶんこうなる。

🚨これはガチでヤバい🚨
Claude Codeが神アプデ。もうエンジニア不要の時代が来た。
寝て起きたら世界変わってた。
まだ触ってない人、mass quitting の準備をしてください。
詳しくは固定ツイの無料コミュニティで👇

この温度差よ。同じアップデートを見て、同じ人間が、同じ日本語で書いているはずなのに、出力されるテンションが違いすぎる。

陰キャすぎて関西追われた身からすりゃ、眩しすぎる陽キャなのよ。

厳しいって、俺...

才能なんだろな、って

もちろん、これが「お前が老いただけ」ということなのであれば、それもまた否定しません。静かに、優しく受け入れようと思います。気がつけばいい年なんで。

思えば最近、なにか新しいリリースがあっても

「ほいほい、RAGのベクトル検索の精度が少し上がったのね」
「パラメータ数が10倍になって、コンテキスト長が伸びたのね」
「おースゲーじゃん、この指示でここまで具体的な実装出してくんのね」

このぐらいです。せいぜいこのぐらいの反応しかできません。

GoogleI/OとかWWDCとかをカレンダーで追ったりすらもしてません。
なんかアプデ来てんなーぐらいで気づくぐらいです。

こんな私に、時代に取り残されるぞ、なぞというような恐怖煽りをしながらツイートをするような事するセンスがあるわけないのです。やろうと思っても出来ないのです。

だから、才能なんだろな、 って。そう思うわけ。

冷めた技術的知識で先回りして、知った風な顔で頷いている自分。

世界は確かに大きく変わっている。それに全力で驚けない自分に、寂しさを感じるのです。

そしてこれが私が、全力で驚くAI驚き屋たちに憧れる理由なのでしょう。

まぁ同時に、彼らのムーブに寂しさも感じてはいるのですが。その寂しさの正体も、もちろん知っているのです。

あえて言葉にしませんが。


無意味な画像

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