こんにちは、ハラダです。

会社設立9周年の節目に向けた施策として、Webサイトのフルリニューアルを行いました。

「なぜWeb制作会社が9年間も自社サイトを放置し続けたのか?」という、ただただ恥ずかしくも泥臭いリニューアルの背景については、別記事 「創業して9年目直前、ようやく真面目に会社サイトを作りました。」 でたっぷり語っていますので、ぜひあわせてどうぞ。

というわけで本記事では、リニューアルそのものの話はいったん脇に置いて、これに伴って実施した kirinsan.incのリブランディング ──ロゴ改定、タイポグラフィ刷新、カラーシステム構築、そしてブランドガイドラインの公開まで──の全容を語ります。

サイトリニューアルにあたって実は真っ先に取り組んだ課題で、足掛け3年にしてやっと表に出たリニューアルなのですが、その後間も特に変えたいと思わなかったあたり結果として確信を持って出せるものになったと自負しています。


kirinsan.incロゴの始まり

以前からハラダをご存知の方からすると、「きりんさんって昔からロゴ変わってなくない?」ってなると思うんですが、せっかくなのでちゃんとロゴの話をしておきましょう。

元々2007年ごろに酔った勢いで作られたオープンソース童謡「きりんさん」を擦って遊ぶためのユニットである kirinsan.org(以下k.org)というものがございました。

そのk.orgがWebサイト立ち上げをするぐらいのタイミングで、ハラダの実弟が描いたきりんのイラストからシルエットを起こして作成したのが、k.orgのロゴです。

その約7年後、諸々あってk.orgにちなんだ社名を冠しkirinsan.inc(以下k.inc)を創業するわけですが、実はこの際に両者のロゴには以下のような差を作ってあります。

旧k.incロゴとk.orgロゴの比較
  • org:円囲みになっている
  • inc:円に対してシルエット抜きになっている

それに伴い、きりんのシルエットの配置も微調整してあります。

同じロゴだと思われがちでしたが、実は結構バランスを変えてあったりするんですねぇ……。同じような例だと、ヤマハ楽器とヤマハ発動機みたいな、とでも言いましょうか。

名称配置はorg、inc共に共通で、書体も共に Futura Medium です。

2026年版ロゴ:何が変わって、何が変わらなかったか

そして今回の新ロゴです。

実を言うと、今回の2026年版k.incロゴですが、きりんのシルエット図柄そのものには一切手を加えていません。変わったのは以下の3点です。

2026年 新ロゴ
  • ロゴとテキストの配置バランス
  • ブランドフォントの変更
  • ブランドカラーシステムの構築

つまり、きりんは変わらずそこにいます。変わったのは、 きりんの周りの「装い」 のほうです。

タイポグラフィ:Futuraから「Sonar Sans」へ

書体については、かつてkirinsan.org時代から脈々Futura Mediumを引き継いできましたが、今回より Sonar Sans へと全面的にバトンタッチしました。

Sonar Sans (Adobe Fonts)
Adobe Fontsで使えるし、Web利用もできるのです。

傍目には「ちょっと文字がスッキリした?」くらいにしか見えない微差かもしれません。ですが、ここには非常に現実的(プラグマ)かつ造形的なこだわりが詰まっています。

最大の理由は、「Webフォントとして正式なライセンスで使えること」

Webサイトを現代的な品質でリニューアルするにあたって、ここはどうしても譲れない実務上の砦でした。

そして造形面。Sonar Sansは、Futuraの持つ幾何学的でクラシカルな美意識を踏襲しつつも、さらに力強く、どっしりと安定したグリフ(文字)形状をしています。

「十年先も色褪せない旗」 としてのロゴマークを支える文字として、これ以上に説得力のある現代的な書体と直感しての決断です。

なお、Sonar Sansはロゴだけでなく、Webサイト全体の見出しフォント(ディスプレイフォント)としても採用しています。

この統一感も、今回のリブランディングで大事にしたポイントです。

カラーシステム「Savanna」

そして、今回のリニューアルにおける最大の爆弾が、新ブランドカラーシステム 「Savanna(サバンナ)」 の誕生です。

実はk.incは、これまで意識的に「グレー、白、黒」といった無彩色をベースにして、コーポレートカラーというものを頑なに設定してきませんでした。

なぜか?

それは、 「メンバー」を中心にした会社でありたかったから です。

会社のイメージを強烈な特定カラーで縛って、集まってくれたメンバー個々の「色(個性)」を潰したくなかった。

とはいえ、良くも悪くもこれまでのk.incの実態は「ハラダという個人」のプレゼンスで回ってきた会社です。結果として、私の色=会社のカラーになってしまっていたんですね。

ですが、10周年に向けて「ハラダ」という属人性を超えて、「会社(kirinsan.inc)そのもののプレゼンス」を作りたい。

その決意表明として、明確なカラーシステムを設定することにしました。

そうして生まれたのが、目が覚めるような蛍光イエローグリーン 「Savanna Accent(#F0FF05)」 を核とするビビッドな4色セット「Savanna」です。

カラーシステム4色の画像
カラーシステム。ブランドガイドラインより抜粋。

この色を選んだ理由は、身も蓋もない言い方をしてしまえば「絶対的な悪目立ち」です。

蛍光イエローグリーンなんて、普通に考えれば差し色としても扱いが難しく、およそ「お行儀の良いコーポレートカラー」とは言えません。

ですが、kirinsan.incは自他ともに認める「妙な連中」です。そして、その「妙であること(普通とはちょっと違うユニークさ)」を面白がって、信頼して仕事を任せてくれる素晴らしい人たちに支えられてここまで来ました。

なので、行儀の良い色をあえて選ばず、きりんをイメージした黄色系でありつつも、目に突き刺すような色にしたというわけです。

この強烈なSavannaカラーは、扱いが難しいぶん、今回のWebサイトのフッター領域のように「ここぞ」という場所にドーンと大胆に配置して、我々のアイデンティティの旗印にしていきます。

「妙な奴らだけど、やっぱ面白くてすごいな」と思わせるための、愛すべき悪目立ちのシステム。それがこの「Savanna」なのです。

ブランドガイドラインの公開

今回のリブランディングで個人的に最も大きな意味を持つのが、実はこれです。ブランドガイドラインを策定し、Webサイト上で一般公開したこと。

ブランドガイドラインの図

ガイドラインの内容は、以下の4つの柱で構成されています。

  • 表記ルール ── 「kirinsan.inc」の正式表記やNGパターンの明文化
  • ロゴマーク規定 ── アイソレーション、カラーバリエーション、禁止事項などのロゴレギュレーション
  • カラーシステム ── 前述の「Savanna」4色セットとその使用ルール
  • タイポグラフィ ── ディスプレイフォント「Sonar Sans」と本文フォントの定義

「こんな小さな会社がブランドガイドラインなんか要るのか?」と思われるかもしれません。ですが、これはむしろ逆で、小さな会社だからこそ「旗の扱い方」を決めておかないと、あっという間にブレるんです。

少数精鋭でやっていると、ロゴの扱いも色使いも「まぁハラダに聞けばいいか」で済んでしまう。でもそれって、結局ハラダの頭の中にしかルールがない状態です。10周年を目前に控えて、「ハラダに聞かなくても、誰でも正しくブランドを扱える状態」を作ること。これこそが、リブランディングの本丸だったのかもしれません。

ガイドラインは こちらで公開していますので、ご興味のある方はぜひ覗いてみてください。


とまぁ、なんか真面目なのか不真面目なのかわからないことを言ってますが、ご安心ください。相変わらず 不真面目ですし、 キモい です。 これは今後もそうです。

結局中に居るのはこいつですから。

岐阜のポーズをするハラダ